2011年2月24日 木曜日
旧暦のある暮らし
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| 親子連れで賑わう銀天大学の寺子屋講座。旧暦文化を感じると同時に、琉球弧の精神文化の祖型にも通じる、子の成長を願う女性(母)たちの姿がある |
沖縄にいると、四季の移り変わりが恋しくなる。冬の朝に起きたら一面の銀世界なんて驚きも、春の桜吹雪に包まれることも、秋の紅葉を楽しむこともできない。そのかわり、市場にいると旧暦の年中行事で季節感を味わうことができる。季節感というより、自然と共に暮らしていた頃からの大切な節目を意識できる。
先月、我が家の次男も初餅を迎えた。「今日は寒いですね~」「ムーチーの日だからね」「?」「ムーチービーサーって言って、旧暦12月8日の頃は毎年かならず冷えるのよ」。沖縄に初めて来た頃の会話である。銀天街そうざい通りに重箱や餅が並び、今日はなんだか賑やかだなぁと思ったら「今日は何の日ですか?」と聞くのが楽しい。その度に、店主さんから旧暦の年中行事について学ぶことができる。
商店街や市場の魅力に、商品売買以外にも、地域文化や精神文化を次世代に教え伝える役割がある。そんな日常的な学びの場でもある市場内に、銀天大学をつくったのが2007年。四世代交流の寺子屋をモットーに、現在は「えほんルーム」もできて、子育て中のママさんを中心に切り盛りする学びと交流の場となっている。ママさんたちの連れてくる市場を賑やかすベビーたちが、市場の母性をくすぐり、子育ての終わった婦人たちの“あちこーこー笑顔”を誘っている。
現代的な暮らしにあっても、移住者や核家族にはありがたい“天然の寺子屋コミューン”が銀天大学の通りに生まれている。市場がなつかしいのは、旧暦文化で季節を感じるからと同時に、琉球弧の精神文化の祖型にも通じる、子の成長を願う女性(母)たちの姿があるからだろう。
(「スタジオ解放区」共同代表)