2007年6月13日 水曜日

空の表情

ある日の那覇の空。梅雨の間も、ふとした晴れ間に高い雲、低い雲、様々な表情が見られます。
ある日の那覇の空。梅雨の間も、ふとした晴れ間に高い雲、低い雲、様々な表情が見られます。

 

 私が那覇で暮らし始めた頃のこと。ふと周りの風景を見て、「あれ?」と思ったことがありました。特に何か妙なモノがあったわけではありません。なのに、何か風景がこれまで見ていたものとぜんぜん違うように感じたのです。「なんだろう?」。その感覚の理由はすぐに自分ではわかりませんでした。でも、しばらくして思い当たりました。自分のこれまでの感覚より、空がずいぶん広かったんです。

 

 私は、九州の佐賀県出身。ぐるりと山に囲まれた場所で育ちました。進学して、就職してからはずっと東京暮らし。そういう場所で暮らし続けてきた私にとって、この空の広さはそれまで経験したことがないものでした。山にもビルにも切り取られていない、見上げなくても目線の先に、すとん、と、海の高さまで広がっている広い空。沖縄で生まれ育っている人には、ごく当たり前の風景でしょうが、内地から来た人間には、これはとても新鮮な風景なんです。それから、雲の形や空の色など、沖縄の大きな空の日々変わる表情に注目するのは私のくせになりました。

 

 雨続きの梅雨空でもふっと空の片方が明るくなったり、「かたぶい」や「てぃーだぶい」なんていう天気があるのも、沖縄の空が広いからこそ、なのかも。沖縄を離れて内地で暮らす人が「空が恋しいなあ」と言っていたのを聞いたことがあります。きれいな海ももちろんですが、身近にある空も「沖縄ならでは」。この広い空いっぱいの表情を観察するのは、沖縄暮らしの醍醐味のひとつ、なんです。

(「うない」編集長)

執筆者:長嶺陽子 | 話の玉手箱

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